多発性骨髄腫(MM)になって!
日本人の死因の第1位は男女共、「癌」であり、二人に一人は癌に罹ると言われる時代。その中で多発性骨髄腫(MM)は、10万人に5人が発症し、50歳ごろから加齢に伴って増加。男女比は、男性の方が多い傾向にある。原因は不明ながら、治療方法としては造血幹細胞移植が普及し、また新薬が次々と開発され治療成績は向上している。ただ、症状は人様々で種類や症状の出現程度も一人一人異なり、投薬による副作用の出方も異なることから治療法も人により異なる。MMは現時点では、寛解しても決して完治する疾患ではない。
多発性骨髄腫ってどんな病気?
血液細胞(赤血球、白血球、血小板)の一つである形質細胞が”がん”になる病気です。
正常な形質細胞は、免疫ブロブリンを作り、からだを異物から守っています。しかし癌化した形質細胞(=骨髄腫細胞)は免疫ブログリンの一種であるM蛋白(細菌やウィルス等の異物を攻撃する能力を持たない抗体)を過剰に作り、からだに悪影響を及ぼします。また、骨髄腫細胞自身も増殖するため、他の血液細胞が作れなくなるなどの問題を引き起こします。これらは、すべて骨の中の骨髄で起こっています。
症状
1、骨髄中を骨髄腫細胞が埋め尽くすために、正常な血液細胞が作られなくなる
①貧血になりやすくなる
②感染しやすくなる
➂出血しやすくなる。血が止まりにくくなる
2、骨髄腫細胞によって、骨を作る細胞(骨芽細胞)と骨を壊す細胞(破骨細胞)のバ
ランスが崩れる
①骨がもろくなる(骨折)
②血液中にカルシウムが溶け出す(高カルシウム血症)
3、M蛋白が大量に作られるために、正常な抗体が減ったり、臓器の機能が低下する
①正常な抗体が少なくなる(感染しやすくなる)
②血液中にM蛋白がたまり、血液をドロドロにする(過粘ちょう度症候群)
➂腎臓、心臓、神経、消化器などに沈着する(腎障害、アミロイドーシス)
診断
治療
1、症状を緩和するための治療
2、多発性骨髄腫そのものに対する治療→化学療法(抗がん剤等)自家抹消血
幹細胞移植